これまでに取り組んだ事件

消費者被害と「一攫千金」をあおる風潮

 「150万円出資すれば、1年後には300万円戻ってくる」ことをうたい文句に会員を増やし続けてきた「全国八葉物流」が、会員に対し約束通りの支払いが出来なくなり、昨年末に事実上破綻しました。そして、今年の1月に破産宣告がされました。出資したお金が戻ってこない被害者は全国で4万人、被害総額は約500億円と言われています。

 八葉物流の商法は大まかに言えば、①60点の健康食品を150万円で購入して、会員の資格を得る。②商品を仕入れ、販売委託をすることにより、1年間で300万円の売上利益が得られる。③会員を勧誘すれば、紹介料として36万円が得られる、というものです。

 上記のように、会員が売上利益を得るには、新たに150万円を出資する会員を増やさなければなりません。ということは、会員が増え続けている間は、売上利益が得られますが、いずれ飽和状態になり、破綻してしまいます。これこそ、「マルチ商法」そのものです。

 他にも、「出資すれば確実に儲かる」などのうまい話が横行していて、被害者も後を絶ちません。どうしてでしょうか。

 「一生懸命働いても給料が安くて、ほしいものも買えない」「リストラされ、仕事もなく、家のローンが払えない」「不景気で売上がさっぱりだ」「利率がほとんどゼロで、利息が増えない」などの声が多く聞かれますが、一方、私腹を肥やすために利権に群がり税金を食い物にする議員もいます。

 こういう中で、「一攫千金を狙い、楽をして儲ける」ことを煽る風潮があり、影響を受ける消費者が生まれたように思われます。インターネットの検索サイトで「一攫千金」をキーワードに検索してみたら、「一攫千金広告収入」「競売予想で一攫千金」「ナンバーズで一攫千金」「TOTOで一攫千金」等々、1万5千件ものページがありました。

 うまい話には危険がつきものです。消費者被害をなくすためには、それがどういう内容なのかをよく見極める必要があるのではないでしょうか。また、「がんばれば報われる」ような世の中を作ることが大事ではないでしょうか。(しらかば 2002年4月号)


 

信州しらかば法律事務所

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