事務所ニュースしらかば

しらかば 第108

≪巻頭言≫
≪コラム(握手)≫
≪あなたは、生活が根底からくつがえる憲法大改造を認めますか
 憲法が改造された後の姿≫
≪憲法は生きている
~憲法によって守られている私たちの生活~≫
≪一人ひとりがメディアになろう
5月3日「祝・第60回憲法記念日・諏訪ビックイベント」≫
≪毛利栄子の ~県政さわやか報告~≫

 

≪巻頭言≫

改憲問題と参院選

 いっせい地方選挙が終わって、7月の参院選が近づいています。いつの選挙も大事ですが、今度の参院選は格別ではないでしょうか。それは「改憲問題」を選挙戦の一大争点としようという安倍政権のもとではじめて行われる国政選挙だからです。
 安倍政権は「先の戦争はやむをえなかった」「戦前の国柄は美しかった」などと言って、現在の日本の国の形=戦争をしない国日本・自由にものが言える国日本=を本気でぶち壊そうとしているのです。既に国会では数を頼りに、教育基本法を変え、改憲手続法を押し通してしまいました。
 安倍政権は「貧困と格差社会」の是正など見向きもしません。逆に、庶民大増税・社会保障の切捨て・人間らしく働く労働のルールの破壊などを推し進めています。
 なぜ、こんなことができるのか。安倍政権が暴走する力の源泉は、一昨年の総選挙での300を超える衆議院の自民党議席です。今度の参院選で、暴走を止めるブレーキを強くしましょう。そのためには、もっとも頼りがいのある日本共産党の議席を増やすことが必要です。「しらかば」読者の皆さんのご支援をお願いいたします。
 (弁護士 木嶋日出夫)

 

≪コラム(握手)≫

 昨年、「生きながら火に焼かれて」という本が文庫化されました。仮面の女性(著者本人)の顔が表紙の本です。(スアド著/㈱ソニーマガジンズのヴィレッジブックス)
 1970年代後半、中東の小さな村で、ある少女が義理の兄に生きながら火あぶりにされた・・・その村では女性は日々奴隷のように働き、ひたすら男性に服従し・・・結婚前の娘の恋愛・性交渉は家族の恥であるため「名誉の殺人」として家族に殺される・・・
 重度の火傷を負いながら奇跡的に生き延びた彼女はヨーロッパで第2の人生を歩み、今もなお各地で後を断たない「名誉の殺人」のことを多くの人に伝えるため、自身の体験を本にしました。私と同年代のこの女性は、生きていることがわかれば今でも家族が殺しにくるため、本名も素顔も公表されていません。とても重く、辛い内容ですが、もし手に取ってくださる方がありましたら、どうぞ最後まで読んでください。彼女が火傷の中で産んだ息子と再会を果たし最近「ママ」と呼んでもらったこと、人気のないビーチで初めて水着を着たときに娘たちが涙を流して喜んでくれたこと、そして・・・。ヨーロッパで自由に生きるケロイドだらけの自分が好きだと、今の気持ちを綴った彼女からのメッセージには涙が止まりませんでした。


≪あなたは、生活が根底からくつがえる憲法大改造を認めますか
憲法が改造された後の姿≫

あなたは、生活が根底からくつがえる憲法大改造を認めますか

 慎重審議を求める国民多数の意思に逆らって、改憲手続法が強行採決されました。自民党の参院選方針どおりに推移するとすれば、3年後の2010年に、憲法改正の是非を問う国民投票が行われることになります。しかも、その改憲手続法たるや、財界挙げてのCMや反対の声を禁圧しねじ曲げる多くの仕組みによって、ごく僅かな国民の支持しかなくても改憲を可能にするというとんでもない代物なのです。
 内外数億人に上る戦争犠牲者の血と涙から創られ、60年間にわたり直接の戦争がなかった日本を築いてきた日本国憲法を、そんなに簡単に変えてしまって良いのか。取り返しがつかないことのないよう、国民みんなでしっかり考えていきたいものです。これまでに、内閣の中心を占める「戦前派」と自民党が出している憲法改造案が、国民投票で成立してしまうと一体どんな世の中になるのか、見てみましょう。

憲法が改造された後の姿

① イラク戦争のような間違ったアメリカの戦争にドンパチ武力で参戦し、イラクのイギリス軍のように軽く150人を超える日本軍が戦死することになるでしょう。
② 国内では、軍事費がグーンと増え、その分、暮らしや教育にまわす予算を削られ、それでも足りずに大増税が待ちかまえます。日本は、今でも世界第4・5位の高い軍事費をつかっていますが、それでも不戦憲法の下で、周囲の、例えば6カ国協議参加国平均と比べるとまだまだ低いのです。それが、米中韓ロ4カ国の国内総生産に占める軍事費の平均値3.8%になるだけで、今4.8兆円の軍事費が18.2兆円にも跳ね上がります。現在25兆円の暮らし・教育予算が、大きく削られること必至です。今でも弱肉強食格差貧困社会なのに、こうなってはとても生きていけません。現在毎年3万人もの自殺者も一層増えることでしょう。
③ 入隊すると実際に戦場に送られるとなると、軍隊への入隊を志願する青年が簡単には集まらないと思いますか。ところが、アメリカでは、派遣社員などのワーキング・プアが給料と資格を求めて志願していますし、それでも足りないとなると、高校から軍隊に届けられる名簿で、貧しい家庭の子どもにすさまじいリクルートがなされるのです。
④ 「戦前派」が作った改憲案では、天皇を元首にするだけでなく、首相が国家非常事態緊急措置権を持ち、靖国神社を国有化できるようにもなります。「わが国古来の美風としての家族の価値」の尊重の名で、女性・子どもに人権がなかった戦前の再現が狙われます。さらに、社会保障をして欲しければ国民がその費用を負担しなさいという「社会的費用負担責務」をわざわざ設けるというのです。「高負担・低福祉」を憲法で認めるのです。世界に誇る生存権(憲法25条)も紙切れ同然になるでしょう。何につけても「国民の責務」が強調されます。こんな戦前のような社会に戻りたいですか。

(しらかば 2007.6)


≪憲法は生きている
~憲法によって守られている私たちの生活~ ≫

 日常、私たちは「憲法」をあまり意識せず生活をしていますが、実際には「憲法」はとても大切な役割を果たしています。それは、私たちの法律事務所が係わる裁判でも同様です。
 そもそも、憲法は、私たち国民が国家権力に対して、守らせる内容を定めたものです。基本的人権を中心に私たちの権利が規定され、これらを国家権力は守らなければならないことになっています。
 法の下の平等の規定(14条)では、国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別などで差別をしてはならないと定めています。例えば、基本給、昇給などで男女間に格差を設けることは、これに違反します。こうした差別はいけないという判決がこれまでも幾つも出ています。
 国や公共団体の賠償責任があることも規定されています(17条)。そこで、私たちは、国などを相手に裁判ができるようになっています。現在、当法律事務所で裁判を闘っている、中国人強制連行訴訟、中国残留孤児訴訟、トンネルじん肺訴訟などは、どれも国を相手としている裁判です。
 家族生活における個人の尊厳と両性の平等という規定(24条)もあります。これに基づき、親族や相続のことについて、民法で詳しく規定されています。例えば、遺産相続の際の法定相続分は、長男であるから多いとか、結婚して家を出た人だから少ないなどと言うことはなく、平等な扱いになっています。また、この規定によって、離婚の際の財産分与請求なども認められているのです。
 刑事事件に関しても、公務員の拷問等の禁止、拷問や脅迫による自白は証拠とならないなど、被疑者の権利について詳しく規定されています。自白強要などによる冤罪事件など、全国で様々な裁判が闘われていて、無罪を勝ち取ることもありますが、それは、このような規定によって私たちの権利が守られているからです。
 このように、私たちの生活や権利は、今の憲法によって守られています。そして、権利が侵害された場合は、誰でも裁判を起こして解決することができることも憲法で保障されているのです(32条)。

(しらかば 2007.6)



≪一人ひとりがメディアになろう
5月3日「祝・第60回憲法記念日・諏訪ビックイベント」≫

 「祝・第60回憲法記念日・諏訪ビックイベント」。これは、5・3憲法集会に掲げられた大看板の文字です。国民投票法案が参議院に廻り緊迫した情勢のなかで迎えた今集会は、「日本を戦争をできる国にしてよいのか」という現実的問題から、憲法を守り世界に広げるために何をなすべきかを一人ひとりに問いかけるものになりました。主催者である諏訪地方憲法集会を成功させる会と諏訪9条の輪を代表して登壇したHさんは、「民意に反する改憲を可能にする国民投票法案の強行を決して許してはなりません。大きな声を上げましょうと」と挨拶。諏訪地方で今秋予定している「銃口」公演の主演女優上沢美咲さんからは、演劇に自分の人生を掛け精一杯演じていること、こうした生き甲斐がもてるのは戦争のない平和な世の中であったればこそと実体験を踏まえた熱い思いが語られ、また、「私は戦争で6人を殺した殺人者です」と衝撃的な告白からはじまった90歳になるというOさんからは、消し去ることのできない辛い過去を再び間違った政治によって繰りかえしてはならないことなどが語られました。


最後に、各国の仲間と連携し平和を守るための活動に情熱を傾けているきくちゆみさんからは、9・11同時多発テロからイラク戦争へと続いているアメリカの戦争実態を映像をまじえながら紹介し、その間に行ってきたアメリカ各紙への戦争反対意見広告の取り組み、「戦争中毒」「テロリストは誰?」などの翻訳・出版・製作やそれらの普及活動を報告。そして、「戦争のない平和な世の中をつくるためには、一人ひとりがメディア(伝い手)になろう」と呼びかけ、参加者の心を打ちました。憲法改正が具体的な日程に上った今、平和な世の中を後生に引き継ぐことは、私たち一人一人に課せられた責任であると自覚した一日でした。


(しらかば 2007.6)


≪毛利栄子の ~県政さわやか報告~≫

2人区で競り勝ち 1位当選!
 「やったー!トップ当選だ!」と割れんばかりの拍手と歓声。4月8日は自民現職と民主新人、共産の私が2議席をめぐって激しくあらそい、2期目の当選を勝ち抜かせていただいた忘れえぬ一日となりました。「もうり栄子をなんとしても勝たせたい」と昼夜を分かたずがんばっていただいた皆さんに心から感謝いたします。党県議団は史上最高の7人に。喜びとともに責任の重さもズッシリ。公約実現にむけて全力をあげます。ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。

7人になった議員団の初登庁

臨時議会で社会衛生委員長に
議会人事を決める臨時議会がさっそく連休明けに開かれました。委員会は6つあるので、ひとつの委員会に党からは2人が入れることになり、画期的なことになりました。団での話し合いの結果、政治的な焦点の淺川ダム問題や公共事業のあり方が問われる土木委員会を2人にしようということで担当した小林伸陽議員は副委員長に。私は社会衛生委員会に所属することになり委員長の重責を担うことになりました。医療・福祉・労働行政を担当する委員会です。そのどれひとつとってみても今の自公政権のもとでは大変な課題をかかえていますが、全部引き受ける委員会なので、なかなか大変な一方、やりがいもあります。石坂団長は「党の県議団が2人だった時代は、宇留賀さんは6期もやった大ベテランなのに、委員長どころか副委員長もやらせてもらえなかった。その時と比べれば隔世の感がある」と感慨深げに語っていましたがやはり数は力です。

淺川現地調査

ダム問題で県外調査と県民集会 医師不足問題で病院調査
この間の活動では、全国でただひとつ穴あきダムとして稼動している島根県の益田川ダム、地すべり地帯に、当初予算の10倍以上のお金をかけて完成しても近隣の部落に亀裂がはいり、使えないまま集団移転している奈良県の大滝ダムなどを精力的に調査。「淺川にダムはいらない県民集会」を実施し400人で成功させ、深刻な医師不足問題では辰野病院や駒ヶ根病院などに伺い関係者の声をお聞きしてまいりました。国の悪政が医療現場を直撃。政治の転換こそ求められています。



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