事務所ニュースしらかば

しらかば 第113

≪巻頭言≫
≪新人弁護士奮戦記≫
≪びっくりしたフィンランド≫
≪毛利栄子の ~県政さわやか報告~≫

 

≪巻頭言≫

解散・総選挙で問われるもの
 
 安倍政権に続いて、福田政権もわずか1年で政権を投げ出し、麻生政権が誕生しました。解散・総選挙必至の緊迫した政治状況が生まれています。
 マスコミは、「自民党か民主党か。麻生太郎か小沢一郎か。どちらを選ぶかが選挙の焦点」などというキャンペーンを連日くりひろげています。
 しかし、民主党政権になったら何が変わるのか、さっぱりわかりません。
 民主党は、臨時国会で自公政権が提出した補正予算に賛成しました。後期高齢者医療制度の存続を前提としている補正予算に賛成することは、同制度の廃止法案を他の野党と共同で提出し、参議院で可決までした同党の立場からまったく説明できません。
 また民主党は、昨年の臨時国会で「憲法違反だ」といって徹底抗戦を貫いたインド洋での米軍艦船への給油法案についても、「早く採決しろ」とその成立をあおっています。
 アメリカにものが言えず、日本の財界にこびを売る、その基本的な政治姿勢において、自民党と民主党との間に違いがないから、こういうことになるのではないでしょうか。昨年11月に自民党と民主党の両党首間で、大連立の模索があったことも記憶に新しいところです。
 いま、国民生活は大変で、将来への不安もかつてなく広がっています。
 こんどの総選挙を、「見せかけの政権交代」ではなく、本当に政治の中身を変える第一歩にしたいものです。(2008年10月14日記す)   弁護士 木嶋日出夫

 

≪新人弁護士奮戦記≫

<自己紹介>
 蒲生路子と申します。私は弁護士登録をして間もない新人弁護士です。平成18年に現行司法試験に合格して、今年9月に司法修習を終え、弁護士登録をして、信州しらかば法律事務所に入所しました。現在、先輩弁護士のご指導の下に、勉強の毎日を送っております。私の修習時代の思い出などを、以下に紹介させていただきます。

<修習時代>
 現行の司法試験制度では、合格して司法修習生になると、実務修習といって、1年間、全国各地の裁判所や検察庁や法律事務所で研修をします。1年間の実務修習の間に、民事、刑事の裁判官や検察官、弁護士の下で、それぞれ約3か月研修を受け、その仕事の一部を実際に体験して、将来、裁判官、検察官、弁護士のいずれになるかを決めるのです(しかし、本来そういうはずなのですが、実際は、実務修習が始まる前の前期修習の段階で、志望を決めている人がほとんどです)。
 私は弁護士になりたくて受験をしましたし、前期修習の成績がいまいちだったので(もっとも、成績の良し悪しは、裁判官や検察官に採用されるか否かの最も重要な判断基準と思われますが、極めて成績優秀でも弁護士を志望し、任官、任検を望まない人も多いので、成績が良くない人が弁護士になるという訳では決してありません)、ずっと弁護士志望一直線でした。様々な事情で任官、任検できなかった人は、とても残念な思いをしなければならないので、成績が振るわなかったおかげで、弁護士志望の気持ちに迷いが生じなくて、良かったと思います。そのため、実務修習先の愛媛県松山市では、成績のことなど考えないで、実にのびのびと過ごすことができました。
 松山は高層ビルがあまりなく、小さな飲食店が沢山あって、松山城や道後温泉といった観光名所も多く、のどかで風情のある街です。瀬戸内海に近く、西日本一高い石鎚山がある風光明媚な土地で、物価が安く、特に家賃は人伝てに聞くところでは日本一安いそうで、実に住みやすい街でした。同期の修習生は、お遍路をしたり、瀬戸内海で釣りやサーフィンをしたりして、松山の文化遺産や自然を存分に楽しんでいましたが、私は元々出不精のうえ乗り物酔いしやすいので、あまり外出する気がしなくて、専ら読書に勤しんでいました。しかし、金刀比羅宮と大三島には行きました。また、阿波踊りと鳴門の渦巻きも見に行きました。案の定、たいてい車酔いか船酔いをしてしまいましたが、酔いが収まると、どれも本当に楽しかったです。特に大三島の大山祇神社では、斉明天皇や天智天皇、源義経などの歴史上の人物が奉納した国宝の剣や銅鏡が展示されてある宝物館があり、歴史好きの人はきっと気に入ると思います。京都や奈良の文化遺産と違って人がほとんどいないため、ゆっくり見ることができます。休日のみでなく修習時間中にも、松山の自然を楽しんだことがありました。海上犯罪の取締りの見学のために、愛媛県の巡視船に乗せていただいたときのことなのですが、最新式のレーダーを使っての追跡方法について説明していただいたあと、しばらくの間、デッキに出て、瀬戸内海の島々を眺めることができました。またしても船酔いしてしまいましたが、紅葉が始まるときだったので、青い海とのコントラストが素晴らしく、松山で修習をして良かったとつくづく思いました。と、同時に、このような美しい自然は、ぜひとも後世に残していかなくてはならないと思いました。

<入所後>
 その後、いろいろありましたが、無事に修習終了時に受ける試験に合格でき、ようやく念願の弁護士になることができました。信州しらかば法律事務所は、先輩弁護士の先生方も事務員の方々も、温厚で頼りになる方ばかりなので、この事務所に入所できて良かったと思います。現在、民事、刑事、人事訴訟事件など様々な事件に取り組んでいます。依頼者の方々とお話ししていて思うのですが、債務整理を依頼される方で、破産制度を誤解していらっしゃる方がまだ多いと感じます。破産は、債務者の財産を債権者全員に公平に分配し、債権者に公平な満足を与えると共に、債務者に生活の立て直しと再出発の機会を与える制度ですので、破産したらもうおしまいと考えるのは間違いです。破産を申し立てて、裁判所から免責許可決定が下りれば、借金を払わなくて良いようになります。破産者となったことを他人に知られることは通常ありませんし、破産手続開始決定後に得た収入は、原則として全て自由に使うことができます。借金の問題は必ず解決できるといわれていますので、悩んでいらっしゃる方は事務所に相談にいらしてください。
 今は、目の前の事件の準備に追われる毎日ですが、将来は環境問題に弁護士として取り組みたいと思っています。一生懸命勉強して、良い弁護士になれるよう努力していきたいと思います。これから宜しくお願いいたします。 (しらかば 2008.11)


≪びっくりしたフィンランド≫

  事前学習で、教育・福祉に力を入れている国であることをかなり勉強したつもりでしたが・・・ 
  弁護士 毛 利 正 道

 子どもの世界で

  1. ①  保育所では、20人以下1グループ用の部屋が、なんと4つもあること。お昼寝兼プレイルーム・机でお遊びの部屋・ソファーのある部屋などそれぞれ結構広い。
お昼寝用など部屋が4つもある保育所
  1. 「なるべくお家にいるときと同じ環境を与えるためです」との説明。
  2. ②  小中学校では、授業中に先生が特に質問している場面でなくても、子どもがちょくちょく手を挙げ、先生が聞くと、なにか発言するのです。ガイドいわく「いつものことですよ」。子どもたちの積極性に感心
大型ポスターになった障害児の絵

  1. ③  市立「アンナの家」では、毎年ヘルシンキ市内の小学生の学年5千名全員に、プロの芸術家による10時間のレッスンを無料でしています。陶芸・ダンス・演劇・ビデオ制作・人形劇・写真などなど。むろん、学校での豊富な文化関係カリキュラムの他にですよ。それも、「プロが芸術に取り組む情熱を子どもたちに伝えたい。特に、芸術に縁がないような家庭で育っている子どもらに」との気持ちで始めたとのこと。
    ④  9名の女子高校生との楽しい交流会で、通常、現在も卒業して自立してからも週末は森のコテージに行って家族とゆっくり過ごしている、と聞いたこと。それよりも、みんなカラフル・ファッショナブルで、「この服装で学校に行っている」と答えたこと。

大人の世界で

①  百万人が加入している労働組合総連合で国際部長に、「企業の国際競争力が強い原因は?」と問うたところ、即座に「第1に教育」と答えたこと。これは本物だわ、と思いました。むろん、非正規雇用であっても、同一労働同一賃金が貫かれているとのことでした。

高齢者施設の美的な個室


②  障害者・痴呆症の人43名が入居する市立高齢者グループホームで、個室が広くてきれいで花と芸術がいっぱいだったこと。しかも、入居者個々に独自のケア計画がありかつ担当のスタッフがいること。
③  心の病を持つ人へのサポートをしている全国組織フィンランド精神保健協会で、患者や元患者がほかの患者に話しかけサポートする「ぺアサポート」システムが有効に機能しているとのこと。
④  街なかも、森のなかの道路でも、どこにもゴミひとつ落ちておらず、建物も風景もどこに行ってもきれいなこと。欧州をよくご存じの方も「ここは特別にきれいだ」

あまりにもきれいな街

環境維持可能指数=環境保護熱心順位が世界一の国なればこそ。






「ルールなき競争社会」でなく、「ルールある共同社会」を、ここ日本でも!

教育でも、コミュニティでも、企業社会でも、競争でなく、人と人との繋がり=共同を大切にしているように思える国に行き、日本を覆う競争格差孤立分断社会を打開するキーワードを探したい。そんな思いで、私が理事長を務める長野県AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会)が企画したツアーに老若男女12名が参加してこの9月、8日間にわたりじっくりフィンランドの諸施策を視察しました。 研究者・教師・農業経営者・福祉施設従事者・青年など一家言持つ参加者と本音で意見交換しながら、いろいろな角度から視察先に質問する、これがまた良く、特色を立体的に把握することができました。

教育改革が社会をも変えた

そこで得たものは、日本の教育基本法を生かした、すべての子どもに創造力と問題解決力を育てるために競争を排したグループ学習など共同での教育を40年間にわたって進めてきた結果、福祉・企業経営・環境保護など多くの分野で大人社会も共同を大切にするものに変わってきているとの実感でした。
しかも、これらの改革は、比例代表による200名の議会で、きちんと法律という方法でおこわれて来ているのです。まさしく「ルールある社会」をそこに見ました。ここ日本でも政治を変えればそのような社会を創り出せる、このような抱負を抱いて帰国しました。
(しらかば 2008.11)




≪毛利栄子の ~県政さわやか報告~≫

国の悪政から住民守る県政に

 9月議会では党県議団と村井知事とでさながら国会討論なみの激しいバトルが行われましたがその一つは消費税。知事は機会あるごとに「消費税の引き上げが必要」と言明し、消費税は公平で景気に左右されない、地方財源の確保のためにも早い時期に二桁にして欲しいと主張し、全国知事会でも引き上げを率先して発言。しかし、いま景気は冷え込む一方であり、県民世論調査でも74、4%が消費税の引き上げに「反対」の意思を示しており、これ以上の引き上げは県民の思いともかけ離れ、暮らし破壊につながって消費を一層冷え込ませるだけです。また、自衛隊への「入隊勧誘ハガキ」が県内の高校3年生に広範に直接送られている問題で、保護者や学校の先生方から疑問が出されており、高校で行っている進路指導はすべて教師がしっかり把握し、学校経由で行われているルールからいっても、県が印刷代まで出して手を貸しているのは不当ではないか、やめるべきとの指摘に対し「自衛隊法施行令に則っておりなんら問題はない」「皆さんとは見解の相違」の一点張り。「農村県なのだから降ひょう被害でナシや花卉が全滅状態で苦しむ農家にしっかり支援を」と迫れば、消毒などの国の施策以外には独自施策はなく「商売が不振だからって行政が助けますか」と。知事は県のトップです。国と同じでは県民は救われません。政治は人があってこそ存在するのです。困っている人の力になれない政治で本当にいいのでしょうか。普段おおらかな私もこんなやり取りが続くと議会中はストレスがたまります。


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