事務所ニュースしらかば

しらかば 第116

≪巻頭言≫
≪コラム(握手)≫
≪もうり栄子の ~県政さわやか報告~≫
 

 

≪巻頭言≫

還暦と自民党崩落

 -今日は、財界とアメリカのために造られた自民党が、国民の手で半世紀ぶりに第1党から引きずり下ろされる歴史的な日になることでしょう。「国民が主権者」の国に向かう大きな前進です。-
 投票が続いていた8月30日午後、私は北九州戦争展での講演で、こう切り出しました。6歳のとき自民党ができましたから、私にとっては、物心ついてから54年間ずーっと自民党が国を動かしてきた、その牙城が崩落したのです。
 「国民が引きずり下ろした」と言った理由は二つ。ひとつは、再三の世論調査での「なんとしても自民党を落とす」という微動だにしない国民の強固な意志です。
 でもなんといっても、国民の闘いがここまで政権を追いつめたのだとの思いが決定的でした。年越派遣村を民衆の闘いで支えることができたために、正月じゅうその惨状が放映され、ひとを人間扱いしない政権を国民が見限る契機になりました。後期高齢者医療制度も、「年寄りは早死にせよということか」と高齢者が「反旗を翻して」立ち上がり、政府を追い込みました。改正草案や国民投票法を造って憲法改造を狙った自民党にたいし、広範な国民が全国七千を超える「9条の会」を結成して闘い、安倍政権を退陣に追い込みました。私も原告になって、影響力があるイラク派兵高裁違憲判決を勝ち取りました。
 民主党政権では、長野県で田中知事に代わって主婦が新聞を読むようになったと同じように、国民の目が政治をより注視することになるでしょう。「財界とアメリカ、彼らと私たちとの綱引きで私たちのいのちと暮らしが決まる」、この本質は従来といささかの違いもありません。民主党に頼ったらより悪くもなります。これまで以上に政府を国民の切実な声でえっさ、えっさと包み揺り動かしていくことです。私は、この8月に生まれ変わりました。2回目の20才の年にどんな社会にできるか、楽しみです。

毛 利 正 道 (弁護士)

 

≪コラム(握手)≫

 最近、大手サラ金(消費者金融)各社も含め、過払金の返還を求めると、会社の経営状態が厳しいと言って減額のお願いをしてきます。中には、5割・3割・1割など極端な減額や、分割にして欲しいと言うこともあります。先日は、3万円の過払金請求について、ある業者から、「回答できる案がない」と言われました。つまり、裁判しなければ返還はしませんということです。
 多重債務者は、生活に困窮している人が多く、すぐにお金が必要などの理由から、裁判をすることをためらいます。サラ金各社は、そうした多重債務者の足元を見て、少しでも損失を減らそうとしています。
 これまで、サラ金業界は、違法な高金利のもとに莫大な利益を上げてきました。その犠牲となったのは、高金利に長年苦しめ続けられてきた多重債務者です。せめて、過払金は全額を返すべきではないでしょうか。
 また、サラ金各社は、既に過払いとなっている人からも、その人が気付かない限り、黙って利息を受け取っています。これもすぐに止めるべきです。
 業績不振のしわよせを、自分の顧客である多重債務者に押しつけようとする、サラ金業界の実態が垣間見える気がします。


≪もうり栄子の ~県政さわやか報告~≫

災害支援は生活再建できるものに

 8月8日に起きた豪雨は諏訪市湖南や中州、茅野市高部を中心に床上浸水109戸、床下浸水254戸、山林、田畑、河川、水路などに甚大な被害をもたらしました。1時間雨量は最大で120ミリを記録し、特定の場所に集中的に被害を及ぼす「ゲリラ」豪雨といわれるタイプ。
 私はさっそく10日に参議院議員の井上さとしさん、県議会の担当委員である高村京子さん、上田ひであきさん、諏訪市議の藤森守さん、守屋陽子さんとともに諏訪市対策本部を訪ねお見舞いしながら山田市長より状況を伺い、その足で泥に埋まって格闘している湖南の新川団地や決壊した河川を調査。3年前の岡谷市湊での大惨事の恐怖がよみがえりました。
 重機やボランティアが入り、一家総出で復旧に当たっておられましたが、泥ほど厄介なものはありません。床を全てはがしての泥出し。新築間もないお宅の1階が泥流の通り道になり、めちゃめちゃ。被害に遭われた皆さんの切々たる訴えに胸が痛みます。
 「こんな雨の多い時期に河川改修工事をやったことが被害を増幅させた」「これからどうなるのか」「天災どころか人災だ」
 埋まった家財道具や電化製品は使えず、改修は新築同然なのに行政の援助はほとんどなし。結果として諏訪市から1万円の見舞金が出たのみ。これでは生活再建もできません。阪神大震災以来、共産党も頑張って全壊家屋には300万円の支援がされるよう切り開いてきましたが、個人の財産形成につながるものには援助しないと言う考え方が根強いのです。村井知事も頑固に主張します。私は「エコカーへの買い替えには25万円も援助するのに、おかしい。自動車は個人財産にはならないのか」と議論。
 自動車産業のような大きなところにはやさしく国民には冷たい政治は変えないと。新しい政権はどこにむかうのだろうか。



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