トラックが道路を越えて激突
昭和61年以来、岡谷市内のKさん宅ブロック塀に無人トラックが激突するようになりました。市道を挟んだ向かいに最大手運送会社のひとつA社の営業所が出来てから、そこから大小のトラックが動き出すのです。
営業所の敷地が道路面より高く下り坂になっているため、トラックの運転手が事務所に立ち寄っている間に、ブレーキが甘いトラックが前向き・後向きのまま動き出し、市道を超えてKさん宅の塀に激突するのです。図面①や写真②から④のとおりです。
23年間に14回、「もうがまんできない」
なかには、ブロック塀や門柱が倒壊するという重大事態になったり、Kさんのイライラが絶頂に達したことも。Kさんがその度に再発防止を申し入れても、A社はせいぜい出入り業者に注意する程度で抜本策を採ることなく、2008年10月には遂に14回目の衝突。Kさんから相談を受けていた毛利栄子県会議員の紹介で、夫である私が担当することに。
調停で抜本策を採らせる
いろいろ工夫を重ね、市道の管理者である岡谷市も相手にして、かつ、地面を削り取って平らにせよとの「差止請求」を掲げて調停を申立てました。A社は、これまでの対策で十分と主張していましたが、調停委員会から「再発しない抜本策が必要」と説得されて、営業所内の運用構造を大きく変更し、かつ、絶対にトラックが道路に出ないように強固な塀を築くとの合意のうえで、写真⑤のように工事を完了させました。
このような「差止請求」を裁判で認めさせることは容易なことではないのですが、Kさんから大いに感謝されて本当によかった。
毛 利 正 道 (弁護士) |