事務所ニュースしらかば

しらかば 第121

≪巻頭言≫
≪コラム(握手)≫
≪不登校問題を考える≫
≪憲法集会≫
≪もうり栄子≫

 

≪巻頭言≫

東日本大震災によって被災されてすべての皆さんに対し、心からお見舞い申し上げます。
 大地震、大津波、東電福島第一原発事故、そして風評被害、いずれもこれまで経験したことのない甚大な災害です。
 いま、被災者の救援と福島原発の危機収束のため、国の総力を挙げた取り組みが急務です。復興の在り方をめぐっていろいろな議論が出ていますが、大事なことは、一人一人の被災者の立場にたって、暮らしと地域社会を再建することだと思います。
 原発事故は、決して「想定外」の事故ではありません。安全神話にとりつかれた政府と政治家、官僚、電力会社と経済界、学会、マスコミ等の責任がきびしく問われなければなりません。政府は、中部電力に対し浜岡原発の停止を要請しましたが、これまでの原発依存のエネルギー政策を根本的に改め、自然・再生可能エネルギーへの転換が必要です。  人間の歴史は、大戦争や大災害を契機に大きく変わると言われます。未曾有の大災害を国民の絆で乗り越えるためにも、人間の尊厳を第一とする政治・経済・社会への根本的見直しが求められていると思わざるを得ません。(木嶋日出夫)

 

≪コラム(握手)≫

  「そうだ うれしいんだ 生きるよろこび たとえ胸の傷がいたんでも なんのため生まれ 何のため生きるのか こたえられないなんて そんなのイヤだ!・・・」。 今、アンパンマーチが3・11被災者を勇気づけています。作者のやなせたかしさんは第二次大戦の戦中戦後の中で自分を力づけるためにこの歌詞を書いたそうです。未曾有の被害をもたらした震災で身内や友人の多くを亡くし、家財一切を失い、生きることに挫けそうな心に響きます。今の現実が辛くても、この状況が永遠に続くものではなく、やがて希望が開けてくることを連想させてくれます。
 そんなアンパンマンですが歌の世界だけで終わらせてはなりません。一人一人が今自分にできることを考え勇気をもって実践することが大事です。義援金やボランティア参加、被災地への支援はまだまだ足りませんし、政治の舞台でも被災者の救援と復興を早期に具体化させなければなりません。「いけ! みんなの夢 まもるため♪」 


≪不登校問題を考える≫

弁護士 蒲生路子
 先日、私の所属する長野県弁護士会子どもの権利委員会は、子どもの権利条例の制定を目指し、不登校や校則、養護施設に関する問題についてのシンポジウムを開きました。シンポでは、5名の若者に、校則、養護施設に関する問題や不登校問題についてインタビューを行い、ご自身の体験を語っていただきました。私は、学生時代に不登校を体験した若者に対するインタビュアーを担当しましたので、不登校問題について思うことを記載します。
 文科省はこの40年間、学校復帰を前提とした不登校問題政策を取っておりますが、その間、不登校の子供の増加は止まっておりません。また、シンポジウムの準備をするに際し、フリースクールを運営している方からお話を聞く機会があったのですが、その方は、15、6年間フリースクールを運営してきて、その間さんざん努力したけれども、不登校になった子を学校へ戻すことは極めて難しい、特にいじめに遭った子はまず戻らないと述べておられました。学校復帰を前提とした不登校問題対策は、既に方向転換すべき時期が来ていると思います。
 日本も批准している子どもの権利条約は、教育への権利を定めており、この教育への権利には、子ども自身が教育に参加し、子どもの権利としてのあるべき教育の価値を求める権利、という能動的な意味も含まれております。また、子どもの権利条約は、教育の目的として、子ども自身の価値の尊重を定めています。このような規定からすれば、子どもたちには、国の定める学校教育のみでなく、子どもたちの個性に応じた教育の選択肢が必要となります。
 シンポでは、不登校の体験を語って下さった二人の若者のお話から、不登校の子どもにとって、フリースクールが非常に大事な居場所になっていることがわかりました。しかし、現状では、フリースクールは学校教育法の定める学校ではなく、公的保障もないため、経営上の問題から十分なスペースが確保できない等の問題を抱えています。子どもたちが学校教育以外の多様な教育を選択できる法制度を作るべきです。


≪憲法集会≫

普天間基地は無条件撤去を ~5月3日憲法集会~
 毎年5月3日の憲法記念日に行われる諏訪地方憲法集会。今年は、はるばる沖縄から前宜野湾市長の伊波洋一さんを招いて開催されました。集会には、県外から参加された方を含め382人の方が参加しました。
 初めに、DVD「沖縄国大ヘリ墜落事故に対する宜野湾市民の叫び」が上映され、危険な普天間基地の実態が明らかになりました。
 代表委員の挨拶の後、「沖縄の闘いから、憲法9条を持つ日本の進路を考える」と題し、スライドを交えて、伊波さんの講演がありました。
 伊波さんは、普天間基地は、戦争中に建設されたもので、国際法上、終戦と共に撤去されなければならず、そもそも成り立ちから違法である上に、アメリカでは住民に被害を与えるような基地は存続できないこと、アメリカの環境保護基準あるいは環境原則に関する共同発表に反していることなど、普天間基地が、いかに違法で危険な基地であるかを紹介するとともに、日本政府は、このような事実に全く目を背け黙認してきたことを指摘しました。
 そして、アメリカは、この違法で危険な基地の返還を名目にして、新たに日米合意に基づく合法で恒久的な基地を手に入れようとしていると告発しました。
 また、日本政府が「海兵隊=抑止力」と発言していることに対して、米軍人の発言も紹介しながら、全くデタラメであることを指摘しました。
 普天間基地は無条件で返還し、新基地は絶対に作らせてはならないという思いを強くした集会でした。



≪もうり栄子≫

捲土重来めざし、新たなスタートに!       毛利栄子
 あの県議選から既に1カ月がたちました。皆さんから10430票という大きな支持をおよせいただきましたが、議席を得ることはできませんでした。本当に残念で、支持を訴えていただいた皆さんに心から感謝申し上げますとともに、期待を寄せて下さった皆さんにお詫び申し上げます。
 敗戦ショックを癒す間もなく岡谷市議選、下諏訪町議選に突入し、一人もとりこぼすわけにはいかないと駆け回り、岡谷で3人、下諏訪で3人の当選を果たすことができ、やっと気持にも一区切りができました。
 「絶対大丈夫だと思った。どうして?」「女性の声が届かなくなるね」「4年くらいすぐ経つから、次はぜひ頑張って」と多くの皆さんは励まして下さいます。ありがたいことです。岡谷市議2期、県議2期のこの16年間は当然のことながらとても忙しくいつも走りながら考えてきたので、今後はじっくり落ち着いて考え、勉強もし、多くの皆さんといっそう触れ合いながら住民運動を盛り上げつつ雪辱を期したいと考えているところです。
 思い出すと悔しくなるので、連休中に必要のない資料は片づけ、一気に身辺整理をしました。毎年5月4日が恒例になっている夫と二人での中山道ウォーキングも南木曽~馬篭間15キロを歩き、きれいなハナモモの花や新緑を眺め、大いに鋭気を養いました。藤村の「夜明け前」の一節を思いおこしながら、木曽谷にも共産党員町長が生まれる時代になった感慨にふけり、歴史の歩みは遅々としているように見えても、着実に進んでいる確信をもちました。さあ、新たに出発だ!



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