事務所ニュースしらかば

しらかば 第122

≪巻頭言≫
≪コラム(握手)≫
≪浜岡原発≫
≪もうり栄子のフレッシュ便≫

 

≪巻頭言≫

「絆」を求める国民の声が社会を変える  
 東日本大震災から半年が過ぎました。被災者の生活再建・経営再建は遅々として進んでいません。東電福島第一原発の被災地住民は、いつ故郷に戻れるのかまったく展望を持てないまま、長期の避難生活を強いられています。
 被災地からかなり離れたここ信州でも、「大震災後売り上げが急減してしまい、廃業せざるを得ない」などの深刻な相談が増えています。
 大震災後も相変わらずの国の政治の姿には、本当に失望せざるをえません。被災者支援・被災地復興は遅れ、原発依存から脱却もできず、醜い政争の一方で国民不在の「大連立・翼賛政治」の強まりも懸念されます。
 しかし、被災者の苦しみを目の当たりにして、国民の意識は変わり始めています。「絆」が合言葉となってきているように、ここ数十年来日本社会を席巻してきた競争至上主義・新自由主義的風潮が弱まり、共生の思想が芽生えてきています。
 「政治におまかせ」や「どうせ政治はかわらない」などの諦めから抜け出した国民の声が、政治を変える日もそんなに遠くないのではないでしょうか。もちろん、そのためのたゆまぬ努力が求められていることは言うまでもありません。

(弁護士 木嶋日出夫)

 

≪コラム(握手)≫

 6月20日、信毎夕刊1面に写真入りで「室内に砂場歓声戻る」という見出しの記事が出ていました。記事の内容は、福島の幼稚園で、屋外で遊ぶことが出来ないので室内の遊戯室にブルーシートを張って砂場を造り、ここで子供たちが明るい表情で遊んでいるというのです。この記事を読んでとても切ない気持ちになりました。青空のもと泥んこになって砂遊びをする。子供の成長にとってとても大事なことです。でもこれが、室内のブルーシートの上というのは・・・
いつもお散歩する公園にお花見にもいけなかった。プールも出来ない。放射線は目に見えない分、影響が恐い。
 群馬県で行なわれた今年の保育合研で、福島の保育関係者から、目頭が熱くなる保育現場の話を聞く機会がありました。
 放射線被害は、しばらく我慢すればなくなるというようなのもではありません。こんなことを二度と起こさないために、原発は廃止以外ありません。(森)




≪浜岡原発≫

浜岡原発廃炉をめざして!
-浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟 原告弁護団に参加して-

弁護士 蒲生路子


 私は、本年8月から浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟の原告弁護団に参加しております。浜岡原発の危険性のごく一部を記載いたします。
 中部電力は、福島第一原発での津波遡上高がT.P.(東京湾平均海面)+15m程度であったこと等を考慮して、津波対策として、浜岡原発の敷地の海側にT.P.(東京湾平均海面)+18mの防波壁を設置すると発表しました。
 しかし、防波堤に衝突した津波は1.5倍まで津波高を増すことが判明しており、このことを考慮しただけでも、15mの津波を想定すれば防波堤の高さはその1.5倍の22.5mを必要とします(津波高を増す要素は外にも複数あり、22.5mでは足りない事態も充分考えられます)。また、津波の水圧は、津波の高さが50cmの場合、防波堤の幅1mに対して1.125tとされており、津波の高さの2乗に比例して増大するとされていますので、15mの津波高の場合、30×30=900倍の水圧となり、防波堤の幅1m当たり1000tの水圧がかかることとなります。

浜岡原発廃炉を求め、5000人が
集まった「7.23ひまわり集会」

 従って、浜岡原発の場合、背後に山を抱く北面以外の西、南、東面を約2.5kmにわたって、高さ22.5m以上、1m当たり1000tもの水圧に耐える防波堤を築く必要がありますが、浜岡原発の敷地の一部は、元は河川ないし河川敷であったため地盤の液状化の危険があり、大規模地震発生時に耐えられる防波堤を建設することは実質的に不可能です。
 また、浜岡原発は、背後の山と高さ8~15mの土手・砂丘に囲まれておりますので(一見津波に有利な地形に思えますが、この土手・砂丘は、想定される津波に容易に乗り越えられるものです)、津波が乗り越えた場合、一旦流入した海水は、土手等に囲われて原発敷地内に貯留することになります。となると、電気設備は水没し、機能は全て失われます。また、原子炉建屋及びその内部の格納容器や炉心に近づくことができなくなります(当然、非常用発電機車両も近づけません)。さらに、原発は基礎が直接岩盤に接していることが要求されているため、浜岡原発の原子炉建屋は半地下のような構造となっており、3号機の原子炉格納容器、圧力容器の最下部は地下15mもの深さとなっています。従って、仮に15mの防波堤を設置し、これを津波が乗り越えた場合、原子炉格納容器は24m以上にわたって水没することとなるのです(中部電力は、防水扉を作るといいますが、地震で建屋が変形する等すれば、完全な防水など不可能です)。
 原告弁護団に参加して上記の事実を初めて知り、改めて浜岡原発は必ず廃炉にしなくてはならないと固く決意しました。多くの方に関心を持って頂きたいです。


≪もうり栄子のフレッシュ便≫

県営住宅が雨漏り!          前県会議員    もうり 栄子

 今年は、例年にも増して酷暑の夏でしたが皆さんお元気で過ごされたでしょうか?

風評野菜支援セールで・・・

 私はこの間、東日本大震災のボランティアで岩手県に行き、がれきの片づけや、仮設住宅での「青空無料市」などのお手伝い、風評野菜の支援セール、東海地震の震源域の真上に立っている中部電力浜岡原発の視察、山梨県北杜市のメガソーラー「北杜サイト」の見学などをし、原発や再生可能エネルギーについてじっくり勉強させていただきました。
合間には様々な相談事が飛び込んできて、その対応におわれ、相変わらず、駆け回る毎日です。
 先日は障害を持つ一人暮らしの方が借りている県営住宅が雨漏りして困るとの連絡を受け早速現場に。前夜降った雨は上がって太陽がギラギラしているのに部屋の片隅にポットン、ポットンと雨だれが・・・。眺めて観てもどこが問題なのかよくわかりません。過去に3~4回地方事務所が委託した業者が見に来てくれたそうですが、フラットな屋根のつなぎ目をコーテイングした以外、手の施しようがないと放置されたまま。とうとう先日来た業者は「これは結露です」と言って帰られたとのこと。「夏に結露なんて人をばかにするにも程がある」と怒っていましたが、このままの状態が続くなら部屋を変えてもらうしかないかと対応策を練っているところです。現職時代は電話1本でよかったのに、今はそうもいかず時間がかかるのがつらいところです。



信州しらかば法律事務所

HOMEご相談について弁護士費用について事務所のご紹介業務内容取り扱い事件役立つ法律情報署名のコーナーリンク集これまでの事務所ニュース

Copyright (c) 2009 shinshu shirakaba Law firm. All Rights Reserved.