事務所ニュースしらかば

しらかば 第79号

≪あいさつ≫木嶋日出夫3期目の当選 皆さんのご支援に感謝します
≪コラム(握手)≫
≪多重債務は被害者か≫
≪「中国人強制連行・強制労働」訪中調査に参加して≫
≪国会報告≫初心にかえって

 

≪あいさつ≫ 木嶋日出夫3期目の当選 皆さんのご支援に感謝します

 今回の衆議院議員選挙では、木嶋日出夫弁護士が比例区で当選し、3期目の当選を果たしました。これは、多くの皆さんからの物心両面にわたるご支援を頂きました賜物であります。このご支援に感謝し厚く御礼を申し上げます。
 今回の選挙は、比例区の定数を20削減(北陸信越比例区では2減)され、政党のパンフらの拡声器による政策宣伝の禁止等選挙法の改悪の中で、また、政権党による選挙史上未曾有の違法なのビラ・パンフの配布という反共謀略作戦が全国的に展開されるという、日本共産党にとって厳しい条件のなかで行われました。
 このように厳しい条件のなかで、日本共産党は、行き詰まった自民党政治を打開するために、経済の面でも外交の面等でも,「日本改革」の提案を示し、国民の切実な要求にこたえる具体的な提案を掲げて、国民の共感と支持を広げつつ、また反共謀略宣伝には機敏に反撃をしてきました。
 選挙戦の結果は、日本共産党は26議席を20議席に後退させるということになり、その中で木嶋日出夫代議士が小選挙区での当選はなりませんでしたが、北陸信越比例区の一議席を守った事は、歴史的にも意義のある当選であります。今後も、日本共産党は、選挙で訴えた日本改革の提言を実現のため努力します、今後とも日本共産党や当事務所に対するご支援ご協力をお願いします。

 

≪コラム(握手)≫

 七月、政府税調が、21世紀初頭の税制のあり方を示す「中間答申」を打ちだした。答申には、危機的な財政状況を背景に、消費税率の引き上げ、所得税の課税最低限引き下げ、法人事業税の一律「外形標準化」という弱者
いじめ方向が貫かれている。
 消費税では、「少子・高齢化が進展する21世紀を展望すると…」「福祉・教育など幅広い行政需要を賄う税として…」も、今後ますます消費税の役割が重要であるとして、逆進性を持った消費税を日本の税制の主軸に据えようとしている。課税最低限の引き下げとともに庶民増税この上なしだ。また、第二の消費税といわれる外形標準課税がすべての企業を対象に導入されれば、赤字の企業ばかりか黒字の中小企業にとってもより深刻な事態となることは避けられない。さらに許せないのは、これらと対照的に、大企業、大資産家にとって負担軽減の方向での見直しがなされている点である。
 異常に膨張した年間50兆円にものぼる公共事業のムダと浪費、70兆円の銀行支援の枠組みにメスを入れ、大企業や高額所得者優遇の不公平税制を正すことこそ真の財政構造改革と言えるのではないか。

 

≪多重債務は被害者か≫

 生活費が足りない、金がないが車が欲しい、洋服が欲しい、旅行に行きたい。こんなとき、サラ金業者や信販会社が簡単に金を貸してくれる、立替払い(クレジット契約)をしてくれる。便利なことではある。

 ところが、自分の弁済能力以上に利用し、今度は借金を返すために借りるということを繰り返し、多重債務者となり弁済不可能になり、自己破産の申立、自殺、離婚等家庭崩壊に陥る。こんな事例が多くなっている。

 破産申立件数は、1992年から1995年までは年間4万件台であったのが、96年は5万6494件、97年は7万1229件、98年は10万2809件、99年は12万2741件であり、98年の自殺者3万2863人の内経済苦の自殺者は6058人(前年より70、4%増)である。多重債務者は150万人がいるといわれている。このような状況は、単に借り手側の個々の問題ということではなく、放置できない社会的に重要な問題と認識されなければならない。

 一方サラ金業者等の利益はおおきくなっている。99年の3月期の武富士・アコム・プロミス・アイフル・三洋信販の経常利益は、上位企業50社の上位を占める。個人の高額納税者上位10人の中にサラ金業関係者の3人がいる。

 多重債務で苦しんでいる人達は、クレサラ被害者といわれている。借金をして返せなくなった人を、何故、被害者というのか。被害者は金を貸した側ではないかという人がいる。この問題は、業者側の問題と社会的経済的要因を見る必要がある。

 業者は、①高金利(大手で年利29%,中小で40.004%の高金利を取っている。今のゼロ金利時代に、高額の金利であり、銀行からの低金利の借入で、コストが低く儲けが多いのである。)、②過剰融資貸し込み競争(ダイレクトメール・新聞テレビの宣伝・電話訪問ファックスによる宣伝・カ―ドの大量発行等、借り入れ意欲の煽動、杜撰な信用調査・自動契約機による安易な貸付け)、③過酷な取りたて(遅延に対する家族等会社に対する電話、郵便による請求攻勢・手形小切手提示の強迫・新規貸付けによる弁済の要求等)の行動等により、多重債務者が大量に発生する。

 社会的経済的要因としては、バブル後の不況・リストラによる不況・銀行の貸し渋り・失業者の増大等がある。これは国の制度や政治の姿勢の問題が大きく作用している。このような要因から、多重債務債務者が発生するのであるから、借りる側の道徳やモラルだけを問題にしても解決にはならない。多重債務者は、社会的構造の認識としての被害者であると見るべきものである。

 ここに多重債務者を発生させない施策と,多重債務者に対する救済の必要性がある。現行の制度では,これ等に対応できる充分な制度とはなっていない。

 法制度としては、出資法の金利を低金利自体にあった低利率にすべきであり、多重債務に陥った者に対する再生の制度としては、個人の生活を解体せずに債務の1部を弁済して再建できるような制度の確立が望まれる。経済的施策としては、銀行の貸し渋りをなくす事や、解雇の規制・サービス残業の規制・労働短縮等により雇用増の施策が必要である。また、国の政治の施策が公共事業優先ではなく社会保障制度の充実も緊急である。(弁護士 菊地一二 2000.8 しらかばより)

 

≪「中国人強制連行・強制労働」訪中調査に参加して≫

訪中調査が2000年の8月20日から27日までの8日間の日程で行われました。調査に参加した一人として内容を報告します。(なおこの調査は、例年この企画に取り組んでいる松本強制労働調査団の同行のもとに行われました。)

証言者はもういなくなる
 「日本政府に賠償を求めます。国際的な礼に従い、正義を守るべきだ」「日本軍は給料をくれるといった。私の給料はいつもらえるのですか」「一番つらかったのは飢えて食べられなかったこと。食べられないのが一番つらいことだった」「もう年だから今さら請求してもおそい…もうつかれた」「忙しい中わざわざ来てくれて、心から感謝します」

 今回7人の証言者(うち長野県の労働者6人)から話を聞きました。これらは証言後に聞いた感想です。証言者のほとんどが現在70才を超えています。今後彼らから再び証言を聞くことはもう難しいかもしれません。    

「日本人」という加害者
 8日間の日程の中では、抗日戦争記念館や三光作戦(日本帝国軍が侵略の一つとして取った作戦。焼き尽くす、奪い尽くす、殺し尽くすの意)の犠牲になった村なども訪ねました。それらをまわって感じたことは、加害事実があまりにも加害国に届いていないということでした。
 抗日戦争記念館では、南京大虐殺、三光作戦、七三一部隊などの侵略や虐殺の写真が多く並んでいました。その中には当時の日本軍が日本刀の切れ味を試すために行った「百人斬り」の写真、そしてその横に「○○軍曹と△△軍曹の百人斬り対決、見事○○軍曹勝利」と報道する日本の新聞記事がありました。こういうものは日本では見ることができず、また日本政府自身も自国で見せることを拒否しています。

戦後補償の先にある未来
 加害を知るためには、自分の足でそこに行かなければ本当の加害を知ることは難しいかもしれません。そう感じた今回の調査でした。三光作戦があった村に訪れたとき、村の子供たちと写真やビデオを取って遊んだりする一時がありました。その村は間違いなく侵略のあった場所です。しかし、確実にその村も時を経て子孫が生まれていました。戦後補償を早急に解決し、真の平和を勝ち取ったその先に、その子供たちの中にも、またぼくらの中にも、力強い生命力が脈々と育ちうる可能性を感じずにはいられませんでした。
(2000.8 しらかばより)

 

≪国会報告≫初心にかえって

 「しらかば」読者の皆さん、総選挙でのご支援本当にありがとうございました。引き続き北信越の代表として国政を担うことになりました。
 三期目になりますが、初心に立ちかえって、公約実現と、皆さんの切実な要求実現のため頑張る決意です。
 選挙戦では、消費税の増税を許さないことを柱として、ムダな大型公共事業を削り、社会保障と国民生活主役の予算への転換、雇用・中小企業・農業などをまもるルールをつくることを訴えて来ました。
 日本共産党は、選挙の結果議席を減らし、法案提出権を失ってしまったことは、誠に残念ですが、これらの訴えは、必ずやこれからの国政上の焦点となってくるでしょう。
 選挙が終わってすぐに、中尾元建設大臣の収賄容疑での逮捕、そごう救済のための税金投入、消費税増税をもりこんだ政府税制調査会の中期答申など、問題が吹き出してきました。
 森第二次連立政権は、審議もしないで特別国会を閉じてしまいましたが、野党共同の要求で臨時国会が行われることになりました。
 暑さにまけずがんばります。今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

 

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