事務所ニュースしらかば

しらかば 第80号

≪あいさつ≫中野さなえさんへのご支援ありがとうございました
≪コラム(握手)≫
≪「中国人強制連行・強制労働」訪中調査に参加して≫
≪最近よく聞く「民事再生法」って何≫
≪国会報告≫党利党略の参議院選挙制度改悪

 

≪あいさつ≫ 中野さなえさんへのご支援ありがとうございました

  10月15日に行われた長野県知事選挙では、残念ながら中野さなえさんは当選できませんでしたが、吉村県政の継続を目指した池田典隆前副知事が破れ、田中康夫新知事が誕生しました。
 「県政を変えたい」という人が県民の九割を超えているもとで行われた今回の選挙は、40年間にわたって続いた大型開発優先、利益誘導の県政に厳しい審判を下したことで、長野県民の良識が示された選挙だったと思います。
 中野さなえさんは選挙中、「税金の使い方を変えて、無駄で危険な大型公共事業の中止、介護保険の充実、三〇人学級の実現」などを訴え、広く県民の共感を得ることができました。このことは、他の候補へも影響を与え、政策的優位性が示されました。
 田中新知事は、浅川ダム、下諏訪ダムなどの事業について「住民の反対運動などがあり懸案となっている事業はすべていったんゼロに戻す」と表明しています。 白紙から中止に追い込む運動と同時に、県民の要求実現のためにがんばっていきます。

 

≪コラム(握手)≫

 オリンピックでの数々の感動は本当にすばらしく、思わず寝不足も忘れて連日テレビにくぎ付けになってしまったというのが、多くの人の感想ではないでしょ うか。世界各国の選手の活躍については各ニュースでも取上げられたように、活き活きと活動的であり、またさわやかな笑顔には、人として生きている事のすば らしさを改めて感じさせるものがありました。特にマラソンのトップアスリートのリディア・シモン選手(ルーマニア)や、陸上女子のマリオン・ジョーンズ選 手(アメリカ)など世界各国のミセスの活躍には、おおいに励まされると同時に、現代のスポーツ科学での競技年齢のピークは二〇代半ばから三〇代前半ぐらい という研究結果をも裏付けるものであると思います。しかし、諸外国に比べると、日本の場合、ミセスの選手が活躍する場が本当に少なくて残念です(私もミセ スなので)。本来一番活躍するであろうといわれる、あるいは諸外国で活躍している、結婚・出産後の女性が、もっともっと活躍できる場を、輝かしいオリン ピックの場ではもちろん、生活の場でも欲しいと思います。二一世紀は、笑顔のすばらしい女性達が、世界中にあふれるそんな世紀に。

 

≪「中国人強制連行・強制労働」訪中調査に参加して≫

訪中調査が2000年の8月20日から27日までの8日間の日程で行われました。調査に参加した一人として内容を報告します。(なおこの調査は、例年この企画に取り組んでいる松本強制労働調査団の同行のもとに行われました。)

証言者はもういなくなる
「日本政府に賠償を求めます。国際的な礼に従い、正義を守るべきだ」「日本軍は給料をくれるといった。私の給料はいつもらえるのですか」「一番つらかったのは飢えて食べられなかったこと。食べられないのが一番つらいことだった」「もう年だから今さら請求してもおそい…もうつかれた」「忙しい中わざわざ来てくれて、心から感謝します」

今回7人の証言者(うち長野県の労働者6人)から話を聞きました。これらは証言後に聞いた感想です。証言者のほとんどが現在70才を超えています。今後彼らから再び証言を聞くことはもう難しいかもしれません。    

「日本人」という加害者
8日間の日程の中では、抗日戦争記念館や三光作戦(日本帝国軍が侵略の一つとして取った作戦。焼き尽くす、奪い尽くす、殺し尽くすの意)の犠牲になった村なども訪ねました。それらをまわって感じたことは、加害事実があまりにも加害国に届いていないということでした。
抗日戦争記念館では、南京大虐殺、三光作戦、七三一部隊などの侵略や虐殺の写真が多く並んでいました。その中には当時の日本軍が日本刀の切れ味を試すために行った「百人斬り」の写真、そしてその横に「○○軍曹と△△軍曹の百人斬り対決、見事○○軍曹勝利」と報道する日本の新聞記事がありました。こういうものは日本では見ることができず、また日本政府自身も自国で見せることを拒否しています。

戦後補償の先にある未来
加害を知るためには、自分の足でそこに行かなければ本当の加害を知ることは難しいかもしれません。そう感じた今回の調査でした。三光作戦があった村に訪れたとき、村の子供たちと写真やビデオを取って遊んだりする一時がありました。その村は間違いなく侵略のあった場所です。しかし、確実にその村も時を経て子孫が生まれていました。戦後補償を早急に解決し、真の平和を勝ち取ったその先に、その子供たちの中にも、またぼくらの中にも、力強い生命力が脈々と育ちうる可能性を感じずにはいられませんでした。
(2000.8 しらかばより)

 

≪最近よく聞く「民事再生法」って何≫

 大手百貨店「そごう」が民事再生法の申立をし「民事再生法てなに?」という質問が寄せられています。 
法整備の流れ 今まで、倒産関連法は、清算型(破産・特別清算)と再建型(和議・会社更生・商法上の整理)の五法がありました。2000年四月和議法が廃止され「民事再生法」が施行されました。民事再生法は、再建型基本法であり一般法と位置付けられます。
 今回の立法は、バブル経済崩壊後、長引く不況のもとで、中小企業再建のための法制度の整備の一環で、倒産法全般の見直しの先駆けといわれています。2月 に商工ローンやサラ金の債務整理に有効な「特定債務等の調整の促進のための特定調停法(通称特定調停法)」が施行され、今後、「個人債務者更生手続法(仮 称)」の制定や、手続を柔軟化するため、「個人の破産・免責手続の改正」「法人の破産手続及び会社更生法の改正」が予定されています。 

民事再生法の特徴
 1、手続の対象は、和議同様、個人と全法人。2、申し立て条件は、破産状態でなくても、破産予防のため申し立てが可能と大幅に緩和。3、手続主体は、再 生債務者自身(DIP型)が基本で、監督委員の監督の下にすすめられる後見型、管財人が主体となる管理型まであるが、これは裁判所の裁量。4、抵当権者な どは原則として手続に拘束されませんが、一定の条件のもとで、担保権の実行中止制度や消滅請求制度。5、吸収合併による再建を容易にするため、営業譲渡や 減資について特別規定。6、決議要件が大幅緩和。書面決議制度導入。7、「和議」は「詐欺」との言われた従来の履行確保手段の不十分さを整備。

 以上が主な特徴ですが、その他「簡易再生手続」や「同意再生手続」が設けられています。

(しらかば 2000.11)

≪国会報告≫党利党略の参議院選挙制度改悪

 9月21日、今世紀最後の国会が召集された。新憲法後150回目という節目の国会でもある。
 参議院比例代表選挙の非拘束名簿式投票への改変法案、あっせん利得収賄罪の新設法案、少年法改正法案、そして補正予算などが、臨時国会の主なテーマだ。
 予算委員、法務委員、政治倫理・公職選挙法改正特別委員の三つに席を置く私にとって、大変忙しい国会になりそうだ。
 しかも、この間に、長野・富山・新潟三県の知事選挙がある。
 与党三党は、参議院選挙の比例代表選挙を、候補者個人名での投票にし、得票の多い候補者順に当選者にさせる制度にしようと、法案のごり押しを始め、衆参両院で、野党抜き審議の暴走を始めた。
 もはや政党名投票では勝てなくなった自民党が、この選挙を個人名投票にし、名の売れたタレントや業界丸抱えの官僚候補を擁立し、大量得票をもくろみ、そ れを、自民党への投票と読み替え、「比例配分」で大量の議席を狙おうというものだ。党利党略丸出しの「票の横流し」制度だ。
 買収選挙を展開し、大量得票をした候補者が、連座で当選無効になっても、次順位者が繰上げ当選。横流し票で当選した議員は無傷。とんでもない「買収やりどく選挙」にもなる。

 

 

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