事務所ニュースしらかば

しらかば 第85

≪コラム(握手)≫
≪佳境に入るアイフル裁判 サラ金過剰融資体質告発≫
≪大日岳雪崩事故訴訟≫
≪国会報告≫卑劣なテロも報復戦争も戦争参加法も許せない

 

≪コラム(握手)≫

 狂牛病騒ぎで牛肉が売れない。焼肉店の売上が落ちる、学校給食でも牛肉を使わないと報道され風評被害という言葉が聞かれます。
 元はといえば、国内で狂牛病が確認された時点での農水省の対応の悪さが消費者に不安を与えてしまったのですから、狂牛病被害を受けないために消費者が牛肉を避けるのは当然です。
経済的影響が広がるのを防ぐため国会議員が牛肉を食べる会を開いたとか。何をやっているのでしょうか。
 狂牛病の潜伏期間は八年といわれています。同じ餌を食べていた牛が現在発病していなくても感染している可能性はあります。
 研究者は一頭確認された以上他に発病していない牛がいても当然、少なくとも一〇年は監視する必要があるとも言っております。
 こういうときこそ、国が生産者に価格保証をして、過去にさかのぼって調査し、疑わしい餌と疑わしい牛を全部処分する等の手を尽くさなければ、国民の不安は消えず、将来の安全も確保できません。
 風評被害を防ぐことばかりを先に考えるのではなく、本当の被害を防ぎ、国民の食料と健康を第一に考えてほしいものです。

≪アイフル訴訟≫

佳境に入るアイフル裁判サラ金過剰融資体質告発

〈アイフルのみ裁判で請求〉

 1998年、250名の若者が一斉にサラ金各社から、1人約200万円支払うよう請求され、大混乱となり、当事務所にかけ込んで来ました。「返済は上が してくれる。借りてくれれば手数料をあげるから」と欺された若者が、サラ金各社から自分で借りて勧誘者に現金とカードを渡し、放っておいたところ、「上」 からサラ金への返済が滞ったため、借主である本人のところにきつい催促が始まったのです。当事務所では、資力のない若者に湯水のように貸し付けて大儲けを 図るサラ金の過剰融資体質が根本にあるとして精力的に各社と交渉を重ね、利息制限法で減額させた残元本の70ないし90%を最長5年間返済するという有利 な和解が次々に成立。ひとりアイフルだけが、これを蹴り、70名を被告として取立の裁判をおこしてきました。

〈正面から大儲け体質を問う〉

 私たちはこれに対し、事務所会議で再三検討を重ねつつ、①提訴自体、弁護士による正当な債務整理を妨害する違法なもの、②湯水のように誰にでも貸し付ける重大な不注意があるから元本の60%をカットしろとの要求を掲げて斗っています。

 裁判の中で調査を深めたところ
①年収の1割以下の貸付にとどめよとの行政指針に反して、ほとんどの者についてこれを大幅に上回る貸付をしていること

②ほぼ半分の者に、車のクレジットなどの既存債務があるのに、借入時の本人の申告をねじ曲げてまで既存債務が少ししかないとの書類を作成して貸付けていること

③本人が希望した借入枠を、アイフルの方で一方的に拡張して追加貸付を行っていること

などが明らかになっています。最新の私たちの書面で、「アイフルの経営姿勢は高い金利でほとんど無審査のまま湯水のように貸付を行い、強引な取立で高い収益を確保」しているとまとめています。(2001年10月号しらかば、毛利)

70名のアイフル裁判、勝利和解

(空前の儲けと多重債務者の下で)
 長引く庶民泣かせ不況の下でも、製薬会社と並んでわが世の春を謳歌しているのが、サラ金会社。資力のない人に利息制限法の上限18%を大幅に上回る金利 で貸し付けて、150万人とも言われる多重債務者を作り出してきています。この状況を利用して大儲けをたくらみ、おおぜいの若者から、「サラ金から借りて くれれば、その1割をアルバイト料として支払う。返済はうえ(上部のもの)がするから心配ない」などとだまして、数億円巻き上げる事件が1998年に明る みにでました。250人の若者が、大手サラ金5~6社から平均190万円借りてそのほとんどをうえに渡していたところ、うえが支払わなくなったため、サラ 金会社から借り主である若者たちに一斉に請求がきて、わが事務所に150人が飛び込んできたのです。

(アイフルだけが裁判かけてきた)
 年末年始の大忙しの時期でしたが、わが事務所の総力を一気に集中して150人についての交渉・計算・本人との打ち合わせを行い、サラ金会社の非を大いに 指摘する中で、アイフル以外のサラ金会社とは、利息制限法で計算したあとの、残元金の70%(一括払)を支払う条件で示談できました。今、思い出してもよ くやったものだと思います。ところがアイフルだけは、「80%(一括)払え」と突っ張り、いきなり70名に対して裁判にかけてきて、「知らなかった」と深 刻な家庭不和をも巻き起こした例すらありました。

(20~22歳に50万円ぽんと)
 裁判で分析してみると、3分の2が22歳以下の若者で、ほとんど月10万円台・年収300万円以内の給料。半分の人は車などのローンを抱えていました。 多くのサラ金会社が、その彼らに、国で定めた年収の1割以内という基準を無視して、一社一人50万円、合計190万円も貸し付けていたのです。これでは、 毎月10万円以上の返済になり、まともに返せるはずがありません。本人が借り入れ時に書いた借り入れ希望限度額がいつのまにか増額されているケースもたく さんありました。このような点を追求した結果、裁判所から、残元本の60%(一括)を基準とするとの和解案が出され、特別に資力困難な人6名の全残額免除 も認められて、この6月にすべて解決しました。3年前のアイフル提示額80%(一括)を大幅に上回る勝利和解となりました。この事件は、最後まで10名を 越える所員全員で取り組みました。(弁護士毛利正道 しらかば2002年8月号)

≪大日岳雪崩事故訴訟≫

山登り初体験

今年8月から、突然、山登りをすることになりました。一つは、小谷村の蒲原沢、もう一つは立山(大日岳)です。
小谷村の方は、現在、松本支部で土石流災害(平成8年12月6日発生の土石流により作業員14名が死亡した災害)の裁判をやっていますので、災害現場を検証に行く必要があり、覚悟は出来ていました。とは言っても、往復4時間、アップダウンの多い山道は大変でした。
と ころが、立山の方は、降って沸いて来たような話で、松本の中島弁護士からのお誘いを断り切れず(日頃、お世話になっていますので)、山登りをすることにな りました。平成12年3月、文部省の冬山研修会に参加した学生らが雪崩(雪庇の崩落)に巻き込まれ、2名が死亡した事故が発生しましたが、この現地調査と いうことです。
富山県の立山駅からケーブルカー・バスと乗り継いで室堂まで行き、そこから、奥大日岳を経由して大日岳(事故現場)まで歩くという工程です。
私は、山登りの経験などありませんし、日頃運動もしておりませんので、大変な難行苦行でした。行きは、気合を入れていたので、何とかなりましたが、現地調査後の下りは息も絶え絶えでした。4時間の下りは、足腰(特にひざ)にこたえました。

 中島弁護士によると、来年も現地に行く必要があるとの話で、今から気が重くなります。少しは、運動をして 体力をつけなければと思っています。ただ、写真にもあるように、大日小屋から眺む剣岳の姿は見事で、これを楽しみに登りたいと思います。(しらかば  2001年10月号)

大日岳雪崩事故提訴 

 大日岳雪崩事故について、平成14年3月5日、富山地方裁判所に提訴しました。弁護団には、松本の中島弁護団長をはじめとして、県内の多くの自由法曹団員が参加しています。
第1回弁論期日も5月22日に決まりました。
この裁判は、国(文部科学省)の責任を問う国賠訴訟であり、簡単には結論が出ないと予想されます。
(しらかば 2002年4月号)


≪国会報告≫卑劣なテロも報復戦争も戦争参加法も許せない

 9月11日のアメリカでのテロ事件を境に、世界の状況も、日本の状況も、そして国会の状況も一変してしまいました。
 5%をこえてますます深刻化する失業問題、一万円を割り込んだ株価に象徴される不況問題、狂牛病問題、郵政事業庁ぐるみの選挙違反高祖事件、医療の大改悪など、それぞれの大問題が、後景に押しやられ、テロ問題一色になってしまいました。
 そして、10月8日、アメリカが、テロ事件の容疑者と断定するウサマ・ビンラーディンとその軍事組織アルカイダ、これらをかばい続けるアフガニスタン・タリバン政権に対する軍事攻撃を開始したことが、第二弾となってさらに騒然とした状況です。
 加えて、小泉政権が、自衛隊をこの戦争に参加させる「テロ対策新法」を提出し、日本の国のあり方を根本的に変えようと乗り出してきたのが第三弾。
 9日、衆議院で、この法案を審議する特別委員会が設置されました。私は、その委員となり、連日の委員会・理事会対応に追われます。
 10日、衆議院本会議で、この法案の趣旨説明と各党代表質問が行われますが、日本共産党を代表して私が質問に立ちます。
 テロ根絶のためには、軍事力による報復ではなく、国連を中心とした国際社会の一致した協力で法による裁きの道こそ求められます。
 そして、憲法の平和条項を踏み破って、自衛隊を戦争に繰り出す違憲立法は断じて認めるわけにはいきません。
 テロと報復戦争の悪循環を許さず、21世紀に本当の平和のために全力を尽くす決意です。
信州しらかば法律事務所

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