事務所ニュースしらかば

しらかば 第87号

≪あいさつ≫本当にいいのか 戦争できない国から、する国への大転換
≪コラム(握手)≫
≪コスタリカツアーで感じたこと・学んだこと≫
≪大日岳雪崩事故提訴≫
≪消費者被害と「一攫千金」をあおる風潮≫
≪国会報告≫ムネオ疑惑を徹底追及

 

≪あいさつ≫本当にいいのか 戦争できない国から、する国への大転換

今、インターネットではやりの「ユージ・ストーリー」
――西暦2002年4月、20年の眠りを経てパワーアップした有事法制は、再び日本の上空にその姿をあらわした。有事法制は、ひそかに青年ユージへと姿を変え、街に紛れ込んだ。目指すは平和を願う心、ピースへの接近。・・・そして、最終目標、国会通過である。――
 これまでの法律では、アメリカがアフガンのように一方的に起こす戦争に日本軍(自衛隊)を動員することまでは出来ますが、それだけでは安心して戦争出来 ません。相手は、当然、米軍基地もある日本国土に反撃をしようとします。そのときにうろたえることなく、毅然として、国あげてその反撃に対処できる制度、 すなわち、
① 国会がうるさくしても内閣独断で、国家非常事態を宣言する
② 地方自治を凍結して、内閣の指令を全国に貫徹させる
③ 戦争に必要な人・物・サービスを命令一つで一挙に入手する
④ そのため命令に従わない者を犯罪者として取り締まる
⑤ 敵国に情報が漏れないように、国民・マスコミを統制・処罰する
ことが必要です.これが有事法制です。
 戦後57年間これを持たず、戦争出来ない国で来た日本が、今ここで戦争する国になぜならなければならないのか。いかなるいのちが戦争で奪われることも許さない、日本国憲法のこの魂を貫きたい。

 

≪コラム(握手)≫

 「まいどありー」威勢の良い声とともに上寿司6人前が届いた。夕食時だったが誰が注文したのか。お互いに顔を見合わせていたがそれらしき者はいない。い たずらか。翌日、「すしはうまかったか」とあまり上手ではない文字で書かれたFAXが48枚送信されていた。いたずらとしては手が込み過ぎている。最近ヤ ミ金業者を相手にした相談が多い。寿司の届いた日にヤミ金業者にFAXで受任通知をしたところ、業者から粗暴な口調で言掛りをつけてこられ、その対応に苦 慮していた所員がいた。思い当たるとすれば、そこしかない。ヤミ金業者は、年数千%の暴利を取っている。このような契約は、公序良俗に反し無効であり、借 入金と支払い金とを単純に差し引き計算をして残債務が残っていたとしても、不法原因給付にて返済する必要はないものである。しかし、ヤミ金業者は法を無視 し、暴力的な取り立て行為に出てくる。そのため多くの被害者が生まれている。このようなヤミ金業者をなくすために、厳重に処罰されることが求められてい る。近々、弁護士、司法書士が共同してヤミ金業者を告発する準備が進んでいるが、具体的な成果を期待したい。

≪コスタリカツアーで感じたこと・学んだこと≫

 「軍隊のない事を誰もが誇りにしている国」「あらゆる動植物が生息する自然の王国」「一度来たら帰りたくなくなる国」・・・沢山のキャッチフレーズを持 つ、そんな中米コスタリカに酷寒の信州を脱出して行って参りました。ツアーの目玉は何といっても、4年に一度の大統領選挙の見学。選 挙最高裁判所(コスタリカは四権分立・選挙最高裁判所がその一つです)で作成したIDカードをぶら下げて、首都サンホセの町に出掛けると、そこには予想を はるかに越えた熱気あふれる世界が!まさにそれはカーニバル・・投票会場に向かう車窓からはためく支持政党の色鮮やかな旗、意志表示のクラクションの音。 おそろいの政党カラーのウエアーで駆け回る男の子たち、チアガール姿で踊る女の子たち・・まるで自分たちが主役のように生き生きと存在しているので す。(コスタリカは一八歳で選挙権を持つのです。聞けば若者の投票率がとても高いとか)そんな子どもたちの姿を見ながら、コスタリカの教育環境が生み出し たものを体感したような気がしました。

 一九四九年に軍隊を廃止し、「兵士の数だけ教師を」をモットーに、軍事費をそっくり教育費にまわし、現在の教育費は国家予算の四分の一。人権感覚を徹底 的に養い、対話を重視した教育が行われているといいます。平和文化教育を推進しているコンスエロ先生のお話ではその真髄を学びました。「自分自身を愛し、 そして他人を、自然を、社会全体を愛する事、社会の展望を持つ事、を学ぶ」そのプログラム。幼い頃から自分の生きるコミュニティーに対して目を向けていけ ば、自然とその意識は「政治」に向かっていくのでしょう。「戦 争に勝者も敗者もない、戦争をするものすべてが敗者だ。コスタリカ人はみんなそういう意識をもっている」というコンスエロ先生の力強い言葉・・人権感覚を 磨き、対話を解決手段とする教育の表れなのではないでしょうか。コスタリカの教育の現場を実際にこの目で見てみたいと強く思いました。コスタリカ以上とい える平和憲法を持つ日本、その精神を重視した教育が行われればきっとコスタリカと肩を並べる、いや、それ以上の平和国家になることでしょう!二一世紀に向 け、新たな展望を持とうと心に誓ったツアーでした。ツアーの全貌は書ききれませんが、今後コスタリカ関係の行事が続きますのでぜひご参加を!!(しらかば  2002年4月号)

≪大日岳雪崩事故提訴≫

 大日岳雪崩事故について、平成14年3月5日、富山地方裁判所に提訴しました。弁護団には、松本の中島弁護団長をはじめとして、県内の多くの自由法曹団員が参加しています。
 第1回弁論期日も5月22日に決まりました。
 この裁判は、国(文部科学省)の責任を問う国賠訴訟であり、簡単には結論が出ないと予想されます。
(しらかば 2002年4月号)

≪消費者被害と「一攫千金」をあおる風潮≫

「150万円出資すれば、1年後には300万円戻ってくる」ことをうたい文句に会員を増やし続けてきた「全国八葉物流」が、会員に対し約束通りの支払いが 出来なくなり、昨年末に事実上破綻しました。そして、今年の1月に破産宣告がされました。出資したお金が戻ってこない被害者は全国で4万人、被害総額は約 500億円と言われています。

 八葉物流の商法は大まかに言えば、①60点の健康食品を150万円で購入して、会員の資格を得る。②商品を仕入れ、販売委託をすることにより、1年間で300万円の売上利益が得られる。③会員を勧誘すれば、紹介料として36万円が得られる、というものです。

 上記のように、会員が売上利益を得るには、新たに150万円を出資する会員を増やさなければなりません。ということは、会員が増え続けている間は、売上利益が得られますが、いずれ飽和状態になり、破綻してしまいます。これこそ、「マルチ商法」そのものです。

 他にも、「出資すれば確実に儲かる」などのうまい話が横行していて、被害者も後を絶ちません。どうしてでしょうか。

 「一生懸命働いても給料が安くて、ほしいものも買えない」「リストラされ、仕事もなく、家のローンが払えない」「不景気で売上がさっぱりだ」「利率がほ とんどゼロで、利息が増えない」などの声が多く聞かれますが、一方、私腹を肥やすために利権に群がり税金を食い物にする議員もいます。

 こういう中で、「一攫千金を狙い、楽をして儲ける」ことを煽る風潮があり、影響を受ける消費者が生まれたように思われます。インターネットの検索サイト で「一攫千金」をキーワードに検索してみたら、「一攫千金広告収入」「競売予想で一攫千金」「ナンバーズで一攫千金」「TOTOで一攫千金」等々、1万5 千件ものページがありました。

 うまい話には危険がつきものです。消費者被害をなくすためには、それがどういう内容なのかをよく見極める必要があるのではないでしょうか。また、「がんばれば報われる」ような世の中を作ることが大事ではないでしょうか。(しらかば 2002年4月号)


≪国会報告≫ムネオ疑惑を徹底追及

 最悪の失業・倒産など深刻な不況のなかで始まった通常国会ですが、すっかり「ムネオ国会」になっています。
 アフガン復興国際会議へのNGO排除問題での、鈴木宗男議員と田中真紀子外相の「言った言わない」論争が第一幕でした。小泉首相が「ケンカ両成敗」で、 田中外相を事実上罷免。内閣支持率が急速に低下する中で、政府・与党は2月20日の鈴木・田中の両参考人招致で、幕引きを図ろうとしたのでした。
 しかし、事態は一変しました。20日の参考人質疑で、日本共産党の佐々木憲章議員が、外務省からの「内部告発文書」をもとに、鈴木議員の北方四島支援事 業「ムネオハウス」建設請負入札介入、税金の還流問題をえぐり出したのです。TVの政治番組では、過去最高の視聴率のもとでの追及に、国民世論が沸騰した のです。
 翌21日、TV放映はありませんでしたが、私が、続いて「内部告発文書」をもとに、談合疑惑を追及しました。ムネオハウスでの鈴木議員の疑惑は深まるばかり。
 それから後は、出るは出るはの内部文書のラッシュ。コンゴ人ムルアカ秘書疑惑、ケニア・ソンドミリウダム疑惑、タンザニア・ムネオホール疑惑、沖縄での 疑惑、防衛庁・矢臼別実弾射撃移転にかかわる疑惑、国土交通省の予算凍結疑惑。そして、暴行事件や「北方四島返還不要論」を唱える鈴木議員の言動。
 まさに「北の宿から南の島まで、ムネオ歩くところ、疑惑あり」の第2幕になりました。
世論の追い風をうけて、予算委員会は、3月11日、鈴木議員を証人喚問したのです。鈴木証人は、肝心の点になると「認識していない」を連発しました。しか し、これは客観的な証拠に照らして明らかに偽証です。四野党の法律家出身議員で「刑事告発」チームを作り、私が座長となって、証言記録を精査し3月18 日、鈴木議員を偽証で告発しました。
同時に野党4党は、鈴木議員に対する議員辞職勧告決議案を衆議院に提出しました。
追い込まれた与党三党は、鈴木議員の「自民党離党」で、トカゲの尻尾きりをやりました。続いて、自民党加藤紘一元幹事長も、秘書の脱税問題で、自民党を離 党。しかし、鈴木議員を辞めろの国民の声は、高まるばかり。自民党は、崖っぷちまで追い詰められたのです。これが、第3幕。
「窮鼠、猫を噛む」
追い詰められた自民党は、社民党辻元議員の秘書給与問題を持ち出してきました。これで、鈴木・加藤問題と相打ちにしようというのでしょう。姑息なやり方で すが、社民党は、野党らしく、自ら堂々と真実を語ることが求められます。いま、国会は、第四幕に入ったところ。これから先どうなるか、全く予断は許しませ ん。
 いずれにしろ、一点の曇りもない日本共産党は、引き続き、真相の徹底究明、鈴木・加藤両議員の責任追及、そして、こんどこそ、企業献金の全面禁止、天下りの禁止で、政・官・業癒着を断ち切り、金権腐敗政治を一掃したいと思います。
 追い詰められている小泉政権ですが、後半国会には、サラリーマン3割負担を始めとする医療制度の大改悪、わが国を再び戦争国家にする憲法違反の「有事法制」つくりなど、とんでもない攻撃を仕掛けてこようとしています。
 鈴木・加藤疑惑で小泉政権を追い詰める中で、医療改悪や有事法制を阻止する展望を開きたいと思います。
信州しらかば法律事務所

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