事務所ニュースしらかば

しらかば 第89号

≪あいさつ≫田中康夫氏圧勝 県知事選 県民の良識の勝利
≪コラム(握手)≫
≪小谷村(蒲原沢)土石流災害≫
≪多重債務整理方法≫
≪県警が謝罪 被害者が勝利した公安警察官泥棒事件≫
≪国会報告≫長野に続き国政でも新しい政治の流れを

 

≪あいさつ≫田中康夫氏圧勝 県知事選 県民の良識の勝利

 9月1日投票の全国注視の県知事選、前知事の田中氏が圧勝しました。
 この選挙は、日本共産党県議団以外のダム固執の多数派による、田中知事に対する理不尽な道理なき不信任決議の強行という事態を受け、その是非を問うもの となりましたが、不信任という暴挙に対して、県民がきっぱり「ノー」との意思表示を示したものです。また、田中知事が2001年10月の知事選で当選し、 進めてきた「脱ダム宣言」と淺川・下諏訪ダム中止に象徴される巨大開発中心から県民の福祉と暮らし中心へと改革させる県政の転換の是非が問われましたが、 ここでも旧来の利権政治への逆戻りを許さず、県政の民主的改革の前進を望む県民の民意が示されました。
 田中知事の圧勝は、県民の良識の勝利であり、全国に希望を与える素晴らしい勝利であります。
 日本共産党は、県議団を先頭にして「県民が直接選挙で選んだ知事が公共事業見直しの自らの公約を守り実行しているさなかに、あくまでもダムに固執し任期 半ばで不信任にすることは道理がない党利党略の県民への挑戦であります」として、広く県民に訴え、不信任決議に反対し、選挙戦では、田中知事を支持したた たかいました。
 選挙戦では、政党で田中知事を支援したのは、日本共産党だけであり、反田中陣営には、日本共産党以外の県議団各派と連合長野、多くの市町村長達でした。しかし、選挙の結果は、田中知事の圧勝でした。
 日本共産党の、不信任決議阻止・選挙戦での田中知事支持の活動は、県民の共感を得、党に対する信頼を高めました。その結果、同時に行われた上田市区下伊那郡区の両県議補選では、日本共産党の候補が従前の3倍以上の得票を得、上田市区では当選を果たしました。
 この選挙で田中知事の県政の民主的改革は支持されましたが、県議会の構成は変わらず反田中派が多数であり改革を前進させるには、改革を支持する県会議員 を多くしなければなりません。来春の統一地方選の県議選は、そのチャンスであります。各地での民主的改革を目指す県議の当選を期待したいものです。
 当事務所の毛利正道弁護士夫人毛利栄子市議会議員が、岡谷市区からの県議に立候補を予定しております。毛利栄子の政治活動に対する支援をお願いする次第であります。
 最後になりましたが、知事選での皆さんから物心両面のご協力ありがとうございました。ここにお礼を申し上げます。

 

≪コラム(握手)≫

 私には3人の甥がいます。5歳と3歳と1歳です。男の子がすきな私は嬉しいですが、たまに逢うだけで毎日一緒に暮らしている訳ではないので日常の大変さ はよくわかっていないと思います。家に遊びに来ると必ず「ねえ、恐竜のビデオみる。」と言います。これは「ジュラシック・パーク」と「ロスト・ワールド」 の事で、私がこの映画のファンでホームビデオを買ってあったのをみつけたのがきっかけです。字幕スーパーなのでそれを子供にわかる言葉で「この人たちはこ れから恐竜のことを調べに行くんだよ。」とか「特別なやり方で恐竜を作ったんだって。」と話してあげながら一緒にみています。リアルな恐竜の映像はとても 魅力的のようで、喜んでいます。ただ反面、ストーリー上、人間が襲われるシーンが度々出てくるので小さな子供にこういう場面はよくないんじゃないかとも 思っているのですが、すっかり気に入ってしまっていて「みる!」といってききません。この先、彼らが次々と相手を倒すテレビゲーム等を好まないようにと願 いながら、小さな時から自然に触れたり心の潤う体験をさせて、将来、他人の痛みをわかってあげられる人間に成長していってほしいと思います。

≪小谷村(蒲原沢)土石流災害≫

 平成8年12月7日、小谷村の工事現場で、11名の作業員が土石流に飲み込まれて死亡しました。平成11年12月、3名の被害者の遺族が、国・県・会社を相手取り裁判を起こしました。

 約2年10ヶ月経過した平成14年10月22日、ようやく、裁判官と一緒に現地の検証を行なうことになりました。当日に備えて、10月13日、現地の確認に行って見ました。昨年の8月にも行ったのですが、ここ1年で全く現場の様子が大きく異なっていて、驚きました。

 ここ1年で崩落はますます進行しているだけでなく、崩落地点直下では治水(砂防)ダムの工事が行なわれていました。工事のおかげで、昨年までは行くことが出来なかった所まで降りて行け、沢の状況が確認できました(立入禁止の立札があったのですが)。

 10月22日に、このような現場の状況を裁判官に確認してもらい、いかに危険な場所で、何らの対策も講じることなく工事を行なっていたことを理解してもらえば、裁判も有利な方向に展開することは間違いないと考えています。(しらかば 2002年11月号)

≪多重債務整理方法≫

 多重債務者の法的な解決については、いくつか方法があります。今回は、具体的な方法についてまとめてみました。

一、任意整理・特定調停

 債権者と協議して、その人の支払能力に応じて、毎月の返済金額、返済期間を決めて、返済する方法です。「任意整理」は、弁護士が業者と直接交渉をして解決します。特定調停は、裁判所の調停手続で同じ様なことをします。

二、個人再生手続

 小規模個人再生手続

 「破産の原因たる事実の生ずるおそれ」がある場合、裁判所に申立てをして、債務の一部を原則三年間で支払うことで、残りを免除してもらう手続です。債務の総額が三千万円以下の場合に利用できます。
この手続では、次のうち一番多い金額を最低支払わなければいけません(「最低弁済用件」)。
①破産した場合に配当することになる金額。
②債務の20%。但し、500万円以下は100万円、1500万円以上は、300万円。
 この要件に沿った返済計画を立て、債権者に決議(同意)してもらいます。返済計画が可決され、裁判所の認可決定がされると、再生計画による返済をしていくことになります。

 なお、住宅を残したいという人で、最低弁済要件をクリアできる人は、「住宅資金特別条項」を定めて、住宅ローンだけは全額払うことで、住宅を残すことができます。


 給与所得者再生手続

 前記小規模個人再生手続のうち、再生計画について、債権者の決議がいりません。
その代わり、最低弁済要件に、
③その人の2年間の可処分所得(計算方法は法律で定めてあります)の金額が加わります。


三 破産手続

 借金が多すぎて支払ができない場合に、全ての債務の支払を免除してもらう手続です。手続上は、破産宣告の申立てと免責の申立てをします。
 裁判所が、支払ができない状況と認めると、破産宣告がなされます。これにより、破産者になり、資格等に一定の制限がされます。
 そして、免責決定によって、債務の免除がされ、復権といって、破産者の制限もなくなります。ただ、債務を作った原因に浪費・賭博など一定の事実がある時は、免責不許可になる場合があります。

 以上が概略ですが、いずれの手続についても、詳細な要件がありますので、弁護士に相談することをお勧めします。

(しらかば 2002.11)

≪被害者が勝利した公安警察官泥棒事件≫

警察腐敗の原因が見えた

 7年前の3月、県警警備課の幹部岩下健美が、4ヶ月間に 37件の窃盗を犯し、一千万円以上の金品を奪った事件が発覚した。「捕らえてみればお巡りさん」であった。しかも7件は勤務時間中の犯行で、侵入箇所は大半が岩下が仕事の対象にしていた日本共産党にゆかりのある個人・団体。真相解明と県警の責任追及を求めて、27人の被害者が国家賠償請求訴訟を提起して闘ってきた事件で、この7月に県警が謝罪と再発防止を誓う被害者勝利の和解が成立した。

 岩下は警察大学校などで再三訓練を 受けながら、日本共産党員に接近して情報収集の協力者(スパイ)に仕立て上げる活動に長期間従事しており、その仕事ぶりは、病院に勤務する青年に「遊びに 行かないか」としつこく誘う、「赤旗」販売所員に「月8万円で情報を売らないか」と迫る、高校の先輩に当たる市会議員には「先輩元気ですか」と近づくな ど、ターゲットにした者に5年でも10年でもしつこくつきまとうもの。「仕事自体が外回りの、ほとんど 80 90%仕事だか遊びだかわかんないような仕事」だった。

 一方、裁判中であった2000年3 月までの半年間に、7つの県を除く全国ほとんどで事件もみ消し・わいせつ行為・捜査情報の漏洩など168件の不祥事が発生し439人が処分を受け(昨年ま での5年間ではなんと1559人)、逮捕などは113人にのぼった。長野県でも、知人の女性宅に電話して、「山にさらって殺して埋めてやる。山口組をなめ んなよ」「おまえの家をめちゃめちゃにしてやる」と再三脅す、夜中に会社事務所に上がり込んで居座り、会社員たちの後頭部をたたくなどの暴行をしたなど3 件発生。60%が警察を信用していないと回答するに至り、もはや警察官のモラルは落ちるところまで落ちた。

 なぜここまで落ちるのか。警察は組織をあげて戦前から日本共産党に打撃を加える活動に精を出している。戦前は戦争に反対する人々数十万人を根こそぎ捕らえ、拷問を加えて1697人の命を奪った。諏訪市出身の日本共産党員伊藤千代子も、1年5ヶ月にわたる監禁拷問によって 24才 の命を閉じた。戦後は、「警察は共産党を打ち破る前衛」と宣言して、日本共産党が国民の支持を得て強くなることを押しとどめようと必死になっている。それ は、日本の権力を握る者から警察に託された任務。しかし、そんなことは、思想・信条・表現・結社の自由という基本的人権、というより人道を踏みにじる非道 な行為だ。そこから警察官の中に矛盾・葛藤が生まれ、心がねじ曲げられ人間として堕落していくのである。警備部門が金を湯水のごとく使い出世もし、一方で 軽視される捜査部門が担当する犯罪検挙率が 20%台に落ちた。いやにもなるだろう。警備公安警察を廃止せよ。
  (弁護士 毛利正道  しらかば 2002年11月号)


≪国会報告≫長野に続き国政でも新しい政治の流れを

 10月18日臨時国会が召集された。会期は12月13日までの57日間。
 倒産と失業、深刻なデフレ経済ただなかでの開会だ。
 18日の衆議院本会議の所信表明演説で、小泉総理は「不良債権処理を加速させ、平成16年度までには終了させる」と宣言した。「不良債権処理」とは、こ の不況下のなかで、歯を食いしばって頑張っている中小零細企業を淘汰・整理することにほかならない。この1年半、小泉政権のもとで、10兆円の「不良債 権」が「処理」された。その結果、デフレは加速し、20兆円もの「健全債権」が「不良債権」になってしまった。
 すでに通常国会で強行された医療改悪に続いて、介護・年金・雇用保険など社会保障の切捨て、「大企業への先行減税・時間差をおいての国民大増税」など、 デフレ促進政策が目白押し。こんな政治をやられたら日本経済と国民生活は、本当に破壊されてしまう。政治の流れを変えなければならない。
 この夏、長野県民は、全国に先駆けて田中康夫知事の再選と日本共産党の県議選勝利で、新しい政治の流れをつくりだし、全国民をはげました。27日のミニいっせい国政選挙で、この流れをさらに前進させたいものだ。
 日朝国交正常化問題、拉致問題、アメリカのイラク攻撃問題、有事法制問題など緊迫する内外情勢の下での国会でもある。
 くらしと平和を守って道理ある態度を貫く日本共産党国会議員団の真価を示したい。
信州しらかば法律事務所

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